仲居(客室係)は、旅館の「おもてなし」を最前線で担う仕事です。お出迎えからお見送りまでお客様の滞在全体に関わるため大変さもありますが、外国人観光客が急増した今、日本文化を世界に伝えられる仕事として注目が高まっています。
仲居の主な仕事内容
- お出迎え・客室への案内: 到着したお客様を迎え、お茶を出しながら館内や食事の説明をする
- 夕食・朝食の配膳: 会席料理を順に運び、料理の説明をする。旅館の食事は品数が多く、ここが仲居の腕の見せどころ
- 布団の上げ下ろし: 夕食中に布団を敷き、朝食中に片付ける
- お見送り: チェックアウト時の挨拶と見送り。リピーターづくりに直結する大事な時間
外国人ゲストの多い旅館では、これらすべてに英語での説明が加わります。「浴衣の着方」「温泉の入り方」「会席料理の食べ方」を英語で伝えられる仲居は、今もっとも重宝される人材です。
1日の流れ — 特徴は「中抜けシフト」
仲居の勤務は、お客様の食事時間に合わせた変則的なシフトが特徴です。
| 時間 | 業務 |
|---|---|
| 6:30〜10:30 | 朝食の配膳、布団上げ、お見送り |
| 10:30〜15:00 | 中抜け休憩(数時間の長い休み) |
| 15:00〜21:30 | お出迎え、夕食の配膳、布団敷き |
実働は8時間前後ですが、朝と夕方に業務が集中し、間に長い休憩(中抜け)が入ります。中抜け時間に温泉に入ったり街を散策したりできる一方、拘束時間が長く感じる人もいます。最近は中抜けをなくした「通し勤務」の旅館も増えているので、求人票の勤務時間欄は必ず確認しましょう。
給料の目安
- 正社員: 月給18万〜26万円+賞与(地域・旅館の格で差が大きい)
- リゾートバイト・季節雇用: 時給1,200〜1,500円
- 寮・食事付きの求人が多いのが旅館の特徴で、生活費を抑えられるぶん手取りの実質価値は高くなります
- 高級旅館では心付け(チップ)や語学手当が加わることもあります
「きつい」と言われる3つの理由と実際
- 体力勝負: 重い御膳の運搬と布団の上げ下ろしはほぼ筋トレ。立ち仕事が基本です
- 拘束時間: 中抜けシフトは慣れるまで生活リズムが作りにくい
- 接客の緊張感: 高単価の宿ほどお客様の期待値も高い
一方で「お客様と深く関われる」「着物・作法・日本文化の知識が身につく」「頑張りが指名やリピートで返ってくる」というやりがいは、ホテルのフロント業務にはない仲居ならではのものです。
未経験・外国籍でも仲居になれる?
なれます。着物の着付けや作法は研修を用意している旅館が大半です。外国籍の方は、特定技能「宿泊」や永住者・定住者などの在留資格でフルタイム就労が可能です(詳しくは特定技能「宿泊」の解説記事へ)。インバウンド比率の高い旅館では「英語が話せる仲居候補」の採用意欲が非常に高く、未経験でも語学力で採用されるケースが増えています。
よくある質問
Q. 着物が着られなくても大丈夫? A. 大半の旅館に着付け研修があります。毎日着るので1〜2週間で慣れる人がほとんどです。
Q. 住み込みで働けますか? A. 温泉地の旅館は寮完備が主流です。外国人観光客の多いリゾートで働く選択肢もあわせて検討してみてください。
Q. 男性でも仲居になれますか? A. なれます。近年は「客室係」として男女問わず採用する旅館が増えています。